ハイカーのサブバックとして、十分なボリューム、容易なアクセス、軽量&コンパクト、シンプルにこだわったデザイン。2009年の初回発売より変わらない、ハイカーサコッシュ「はじまり」のデザイン。
仕様
- 重量
- 36g
- 寸法
- 幅25cm x 高30cm
肩ひも92cm
*)縫代等の関係で数値には若干の誤差あり
- 素材
- スピンネイカークロス 2.0oz/yd
- カラー
- Hiker Green(緑)
Sierra Blue(青)
Sunrise Red(赤)
ハイカー BB のアイデアから生まれた
ハイキング用サコッシュの “はじまり”
未だ色褪せない シンプルゆえの魅力
『Hiker Sacoche ハイカーサコッシュ』
省くものが無いシンプルなデザイン。歩くのを邪魔しにくい高めのポジション。豊富な収納力とスムーズな出し入れ。バックパックと干渉しない薄さと軽さ。
この少ない言葉がこの道具の全てを表しています。2007年のハイカーBB の初作品から、2008年の当店土屋智哉のU.L.によるJMTハイキングを経て、2009年にハイカーズデポでの初発売、そして現在に至るまで基本的には変わらない、しかし、シンプルゆえに色褪せない魅力を持つのが『ハイカーサコッシュ』なのです。
カラーは4色。
写真左から/定番のHiker Green。新色のSierra Blue。復活のSunrise Red。 人気のGranite Grey。
Sacocheとは元はフランス語で「鞄」ざっくりと指す言葉でしたが、今では主に肩掛けのもの、英語に例えれば「ポーチ」のことです。アイデアの元になったのは、自転車ロードレースにおいて、サポートカーから選手へ食料等を補給する際に使われる「薄くてペラペラなショルダーポーチ=サコッシュ」。各チームロゴが入ったショルダーポーチは、選手の補給後に沿道で応援する観客のお土産になるような本当にシンプルなものです。この補給用の「薄くてペラペラなショルダーポーチ」をハイカー用にアレンジ、地図&コンパス、行動食、記録用品等を収納するショルダーポーチにしました。しかし “バッグ” や “ポーチ” から想像するものではなく、「シンプル」なイメージと「薄くて軽い」イメージがあった補給用のショルダーポーチから名前を取って、『ハイカーサコッシュ』と言うことにしました。
サンフランシスコ在住、ヨセミテ周辺をホームグラウンドにウルトラライトハイキングを実践、John Muir Trailも全行程ハイキングしていた日本人ハイカー「BB」。彼は実家が手芸店ということもあり、タープやスリーピングバッグの自作(注1)も早くから はじめています。そんな彼の作品のひとつがこのハイカーサコッシュ。2007年に手渡された試作品はそれ以降近年になるまでのほとんどのハイキングで使用し、いまではかけがえの無いパートナーです。製品としての制作にあたり素材、サイズ、縫製等には改良を加えていますが、シンプルな造形はオリジナルそのままで す。近年サブバックとしての認知があがっているハイキング用サコッシュ。その原点ともいえるのがこの“BB”スタイルだといえます。
順に/Hiker Green(ハイカーグリーン)・Granite Grey(グラナイトグレー)・Sierra Blue(シエラブルー)・Sunrise Red(サンライズレッド)
素材
採用する生地は基本的に「軽く、薄く、滑る」素材から選んでいます。バックパックを上から背負っても干渉しにくく、ジャケット類の上で擦れても撥水に影響 を与えにくい、といったメリットがあるからです。代表的な素材としてシルナイロンがありますが、今回は以下の理由から最終的に2.0ozスピンネイカークロス(注2)を採用しています。
- セイルクロス(ヨットの帆用)のため、擦れに対しての耐久性に優れる
- 生地にハリがあり、カタチが崩れにくいのでショルダーが細くよれたりしにくい
- 耐水性は同クラスのシルナイロンよりも強い(注3)
軽く、薄く、滑るという特性ではシルナイロンの方が上回りますが、スピンネイカークロスでも十分な基準にあります。また「擦れに対しての耐久性」と「形状を保ちやすい生地のハリ」が素材選びの決め手でした。
サイズ
サイズはワンサイズのみとなります。シンプルに徹するためショルダーの調整機構はございませんが、今までの販売実績において問題ない設定だと思われます。また構造上ユーザー様自身での直しも容易です。
なお、ご使用後にショルダーの長さを調整したいという場合は無償にて調整を承ります。詳しくはお問合せフォームやお電話でお問合せ下さい。
ディテール
機能素材の縫製を得意とした、関東の老舗縫製屋さんにお願いしております。新しいハイランドデザインタグをショルダー根元、側面に付けるように変更となっています。
本体入り口はベルクロテープで仮固定できます。収納した荷物の出し入れのスムーズさを最優先していますので、ベルクロも最低限に留めています。また出し入れの際に衣類と干渉して毛羽立つことをなるべくおさえるため、ベルクロは雄雌混合の幅の細いものを使用しています。
本体下部の両側マチには新たにループを設けました。カラビナやバンジーコード等と組み合わせることでサコッシュのばたつきをおさえたり、単体使用の 際にメッセンジャーバッグのように背中側に位置させるのに使用してはいかがでしょうか。ループがひっかかったりしないように薄く細いグログランテープを本 体に這わせるように取り付けています。
本体のマチは25mmあるのでペットボトルや行動食、デジカメのような立体物の収納にも大きな問題はありません。
ハイキング中のちょっとした小物の携帯には様々なスタイルが存在します。サコッシュも決して万能ではありませんが、アクセスの容易さ、収納力の高さ、単体利用もできる汎用性などウエストバックやフロントバッグとは異なる魅力があることも事実です。
「省くものが無いシンプルな美しさ」
ハイカーサコッシュの魅力はこれにつきるのかもしれません。
注1)実家の屋号からMFD(Mount FUJI Designs)と呼ばれていました。わたしが2008年JMTスルーハイクで使用したタープは彼の作です。
注2)ヨットのセールクロスのひとつ「スピンネイカー」に使用されるセール用生地。他のセールに比べ非常に軽い素材が使用されています。
注3)簡易試験機での試験結果によります。