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4本足それぞれが独立した無段階調整で水平面をつくりだす簡易作業台「レベル」。2020年に発売されてから4年、よりコンパクトでより軽いカーボンモデルが登場。ULハイカーの軽すぎるストーブ、小さすぎるクッカーはちょっとした傾きに不安感を隠せない時があります。それを乗り越えるのも大事ですが、設置面の凹凸にしっかりとフィットさせ、安定した水平面を提供してくれるのはありがたい機能です。従来のチタンバージョンが多少なりとも汎用性があるのに対して、このカーボンモデルはソロストーブの台座としての機能に特化させているといえそうです。(PAT.6976502)
【お一人様一点でのご購入とさせていただきます】
仕様
- 重量
- 46g
- サイズ
- 130mm × 200mm
高さ)調整可能 5〜55mm - 素材
- CFRP(カーボン繊維と樹脂のコンポジット素材)、プラスティック、ゴム紐
- 付属品
- 補修用ゴム紐、スレッダー
- 耐荷重
- 実用荷重1.5kg程度
- 特許
- 特許第6976502号
四本脚の独立無段階調整
設置面の水平面確保に特化
わずか46gのカーボン作業台
シンプルなギミックによる4本脚の独立無段階調整、それによる水平面の提供。ありそうでなかった機構で、あったらいいなを提供した「レベル」。2020年の発売時にはそのシンプルかつ独創的なアイデアが驚嘆で迎えられ、発売後も長く支持されてきました。「テーブル」ではなく「レベリングギア」と副題に銘打つあたり、メーカーが自負する製品の特徴がはっきりとみてとれます。
そんなレベルについにカーボンモデルが登場です。重量はわずか46g。
軽いのはいいけれど、強度的に大丈夫なのか?
安心感あるULギアというある意味矛盾した道具とは一線を画したULギアらしいULギアといえます。
ハイカーはテーブル大好き!?
調理するとき、食事するとき、ちょっとしたテーブル(作業台)があると便利だろうなと感じるハイカーは多いでしょう。軽くて小さなアルコールストーブや固形燃料ストーブを使用しているハイカーは一度ならずクッカーやストーブをひっくり返したことがあるはずです。こんなトラブル回避のため、これまでも多くのコンパクトテーブルが製品化されてきました。カーボンとチタンを美しく組み合わせたSola TitaniumGearの「スーパーテーブル#1」やチタン板一枚でシンプルに処理されたT's Stoveの「スーパーロウ Ti テーブル」がULハイカーに支持されてきました。Cascade Wildの「ウルトラライトフォールディングテーブル」も記憶にもあたらしいところです。コンパクトテーブルはインディーズメーカーの専売特許ではありません。GSIがアルミ製の「マイクロテーブル」や「ULテーブル」という製品を長きにわたり提供してきましたし、美しい造形で定評あるSnowpeakの「オゼンライト」はそのギミック含めて名品と呼ぶにふさわしい製品です。
安定した水平面の提供
これらコンパクトテーブルはそれ単体ではしっかりした平面となります。しかし使うのはアウトドアフィールドです。水平だと思っていても微妙な凹凸でテーブルがガタつくのはよくあることです。まわりを見渡してもっと水平な場所を探せばよいのかもしれません。しかし気持ち良い風が吹くのは、ちょうど良い木陰になっているのは、素晴らしい景色広がっているのはココなのです。ココで水平面が欲しいというワガママもわからなくはありません。
紹介したように様々なコンパクトテーブルがありますが、足に調整機構、しかも無段階調整機構がついているコンパクトテーブルは記憶にありません。factory-b レベルはそれをシンプルかつ独創的な方法で実現しています。(特許第6976502号取得済)
天板の穴に、カーボンシャフト製の足を出し入れすることで高さを調整します。ゴムのテンションにより写真のように足は傾きます。チタン天板との摩擦で足は任意の高さで止まるのです。このシンプルな機構によりそれぞれの足が独立した無段階調整となっているのです。
カーボンモデルの実力
天板もカーボン採用し、より軽くなったレベルミニですが、その対荷重はどれくらいのものか。3kg程度までのテストはクリアしていますが、カーボンの天板がたわみ実用には適しません。実用荷重といえるのは1.5kg程度までとお考えください。そのため従来のチタンバージョンのレベルに比べ、天板の面積もひとまわり小さくしています。
なお、天板のCFRPの平均耐熱温度は約200℃です。実用耐熱温度は余裕をみて150℃くらいまでだとお考えください。天板を直火に当てると着火する恐れもありますので、アルコールストーブを使用する際には断熱材などで養生ください。
基本的にストーブ類の設置に際して水平を出すための作業台に特化させていると考えた方が良いかと思います。アルコールストーブ、ガスストーブとULハイカーが好む軽量コンパクトなモデルはクッカーとしての安定感には欠けるものが少なくありません。それを工夫によって解決するのが理想的ですが、こうした解決策も悪くはありません。なによりもストーブくらいしか載せられないという限定的でクレイジーな道具はULギア的な面白さに溢れています。