モノポールシェルターのオリジン「メガミッド」の系譜を継ぐモデル。2021年度より疎水性の高いポリエステル素材に変更。スピーディーな設営と軽量性はソロ用としてもグループ用としても魅力的。
仕様
- 重量
- 本体:787g
専用ポール:321g
付属品:135g - サイズ
- フロア:270cm×270cm
高さ:165cm+α
*専用ポール長:165.5-195cm - 素材
- 本体:30Dnl ポリエステル
専用ポール:カーボン - 付属品
- カーボンセンターポール:1本
DAC社ペグ:8本
ガイライン:4本
ポールリンクコンバーター:1コ - その他
- ・メガバグ対応
・CPAI-84防炎基準に準拠
耐候性に優れたULシェルターとして
対応力に優れたダイニングテントとして
ソロからグループまで幅広く対応する
元祖モノポールシェルターの継承者
見逃したくないアップデート
Black Diamondメガライトは2021年に完全リニューアル。シェルターとしての実用性に直結するいくつかのアップデートが施されました。
- 本体素材は疎水性の高い30Dポリエステル
- 4人使用にストレスがない270×270cmの床面積
- パネル中央にもタイアウトポイントを増設
- フロントジッパーに噛み込み軽減パーツを採用
30Dポリエステルで濡れても弛まないシェルターへ
従来の30Dシルナイロンから30Dポリエステルへ本体素材が変更されました。高い撥水性を発揮してきたシルナイロンから水を含みにくい疎水性にすぐれたポリエステルへの変更は、湿気対策や濡れ対策的にはあまり変わりがないと思われがちですが、最大の違いは生地の伸びにあります。ポリエステルへの生地変更で結露や降雨で生地が濡れても水を含みにくいだけでなく、生地の伸びや弛みが大幅に軽減されました。これでシェルターの張力が維持しやすく、結果として耐候性の向上につながっています。
床面積が広くなることで使用方法も明確に
従来モデルの210×210cmフロアは4人使用といわれていましたが、実際の居住空間を考えると1〜2人での使用が適当だと感じていたユーザーも多かったようです。今回の270×270cmへの変更で無理なく4人使用が可能になりました。またこのスペースがあれば、シェルター内の半分にダブルウォールテントの本体だけを設置するなど多様なアレンジが可能です。モノポールシェルターは床面積に対して居住空間が狭くなるために、床面積の設定は悩ましいのですが、今回はメガライトの使用方法と使い勝手をより明確にした変更だといえます。
タイアウト増設で風に強く、そして使いやすく
モノポールシェルターは設営時に円錐型に近づくほど、耐風性能があがります。そのためフロア形状を正多角形にするシェルターも数多くありますが、メガライトはフロア形状の変更ではなくタイアウトの増設で対応しています。従来に加えパネル中央にもタイアウトポイントを増設。強風時には張綱を増設しテンションをかけることで、より多角錐に近いフォルムに近づけ耐風性能を高めています。また張り綱の増設は本体を外に引っ張り出すことで居住空間の拡張にもつながっているのです。
出入りのストレス軽減
気をつければ良いだけの話ではありますが、荒天時の出入りなど急いでいる時にジッパーが噛むと無用なストレスが高まります。ジッパーラインが長いモノポールシェルターでは噛み込み軽減パーツの効果は想像以上に高いと言えそうです。
ソロからグループまで、対応力に優れたULシェルター
フロアレスシェルターとして使用すれば、重量あたりの居住面積でモノポールシェルターは圧倒的に有利です。装備が多いバイクパッキングやパックラフト、冬季登山&スキーハイキングではソロ使用でもおおいに魅力的ですが、やはりモノポールシェルターが最も魅力的なのは2-4人でのグループ使用。シェルターを共有することは軽量化の近道にして王道。グループでのULハイキングならば最軽量クラスの軽さが実現できます。Black Diamondメガライトでは以下のようになります。
- 2人使用の場合 394g
- 3人使用の場合 263g
- 4人使用の場合 197g
片手で持てるこのサイズのシェルターが2-4人のグループ使用に対応します。
ソロでの使用は装備が増える活動に適していますが、グループでの使用はシーンを選びません。この重量このサイズでソロからグループまで対応できるのはモノポールシェルターだからこそ。あらゆる活動に対応できるシェルターを検討しているなら真っ先に候補にあげたいモデルです。
荒天時に痛感する正方形フロアの意味
モノポールシェルターは円錐型に近づくほど、耐風性能があがります。風に強くなるのなら正多角形の方が良いのではと考えがちですが、メガライトは執拗に正方形フロアにこだわります。様々なアップデートが施されましたが、フロア形状は変わりません。それはシンプルでスピーディーな設営を第一に考えているからです。
正多角形をフリーハンドで描くのが難しいように、正多角形の頂点にキレイにペグをうつのも難しいのです。モノポールシェルター はまず幕体の裾をペグで固定した後に内部からポールで立ち上げます。最初の固定位置がキレイにでていないと美しく設営できません。正多角形モデルは正しく固定するのに手間と時間を要します。一方正方形のフロアを持つメガライトは固定位置を簡単にだすことができます。疲労困憊したときや、夕暮れが近づいているとき、天候があれているとき、素早くキレイに設営しやすいことはフィールドでこそ痛感するメリットです。またフロアが正方形だと多人数で寝るとき、荷物を置くとき、デッドスペースがうまれにくく使いやすいこともあります。実用に即したフロア形状だからずっと変わらないのです。
なお、設営時には天幕下部に15cm程度の隙間ができます。換気のため、結露対策のため、この隙間は必要なのですが、降雪時にはこの隙間から雪が舞 い込みます。もちろんスキーツアーやアルパインクライミングにおける冬季使用実績もありますが、冬季使用時には雪の舞い込みと寒気流入による寒さ対策が必要になります。
付属品
専用ポール
165.5-195cmまで任意の長さで使用できます。
ポールリンクコンバーター
トレッキングポール 、スキーポールを接続して設営に使用するための簡易パーツ。シリコンストラップなどがあれば特に必要はありません。
モノポールシェルターオリジナルのDNA
ピラミッド型もしくは多角錐型のモノポールシェルターに注目が集まったのは2000年代中頃に北米のULシーンに登場したGOLITE ヘックスが大きなきっかけです。今では多くのユーザーが受け入れるようになったフロアレスでのキャンプスタイルを定着させた立役者ともいえるでしょう。北米ではハイキング用としてより、冬季ハンティングのベースキャンプ用として携帯薪ストーブと組み合わせて使用するKifaruなどのメーカーがその後のシーンを牽引しています。しかしマスプロダクトモデルとしてのモノポールシェルターの元祖といえるのは1990年代前半に販売されたBlack Diamondのメガミッドです。遠征登山でのキッチンテントや倉庫テント、スキーツアーでの休憩用、もちろんハイキングやクライミングのベーステントとして使用されてきた汎用性に富む歴史あるシェルター。メガライトはそんなメガミッドの軽量モデルとして継承されたモデルなのです。
床が無いからこそ様々な状況に対応し、応用力溢れる使い方が可能になるのです。
Mega Bug 4P Tentとの併用
Black Diamond メガバグ4Pテント(本体重量 1,200g)¥35,860(税込)
本体、アルミセンターポール、ポールリンクコンバーター、DAC社ペグ、ガイライン