NANO-AIR ULTRALIGHT P/O

低温下でのテクニカルな山行に対応する
アクティブインサレーションのパイオニアシリーズ

低温下にて通気性と保温性をバランス良く提供してくれるアクティブインサレーションのパイオニア、patagoniaナノエアシリーズ。その中綿の目付けを1/3にしたUltralightモデルのプルオーバーです。ダブルスライダー仕様により効果的な熱放出ができ、袖下部分にはお馴染みのキャプリーン素材を使うことで伸縮性を高め、腕まくりでの体温調節もしやすくなっています。スリムフィットで風によるバタつきを軽減し、ハーネスの装着にも向く一着です。

効率を高めた中綿配置

NANO-AIR ULTRALIGHT P/Oには、20g/㎡の目付の化繊綿が採用されており、冷えを感じやすい肩や袖の外側、前後の身頃に配置されています。一方で、脇の下部分には中綿を配置せず、嵩張りを抑えるとともに熱の放出を妨げません。
NANO-AIRシリーズはナノエア、ナノエアライト、ナノエアウルトラライトの大きく3種類あり、ナノエアは60g/㎡、ナノエアライトは40g/㎡、ナノエアウルトラライトはさらに薄い20g/㎡の目付です。ウルトラライトのその中綿の羽のような薄さは、よく触らなければわからない程です。

中綿を挟むストレッチポリエステルシェル

アクティブインサレーションというと、近年は中綿を単体(剥き出し)で使用するものをイメージしがちですが、実は2014年に発売されたNANO-AIRシリーズのようにシェル生地を貼ったモノが元々の主流でした。それが軽量化の流れとともに、素材の耐久性も向上し、近年は中綿を単体で使用する製品を目にする機会が増えています。
ハイランドデザイン(ハイカーズデポのオリジナル)として2025年秋に販売した「Adapta Light Hoodie」は、オクタサーモフライという素材をシェル生地で挟むことなく単体で使用しています。このように単体で使用すると、シェル生地がないことでより軽く、通気性は高くなります。しかし運動強度がそれほど高くないアクティビティ時や冷たい風が吹き抜けるような状況下では通気しすぎることによって寒さを感じることもあります。そのため、内側に1枚インナーを着込んだり、上からウィンドシェルを羽織ったりと、その着方や使い方に工夫が必要になります。


それに対して、シェル生地で中綿を挟み込んだNANO-AIR ULTRALIGHT P/Oは、風がより抜けにくく、通気のしすぎを防ぎ、バックパックとの擦れや岩場などでの使用に対して耐久性の向上も期待できます。
さらにNANO-AIR ULTRALIGHT P/Oのシェル地は、ストレッチポリエステル素材を採用しており、スッキリとしたスリムフィットながらも、上半身の様々な動きを妨げずに行動できます。


体温調節を意識した細かな気配り

アクティブインサレーションと言えども、ハイクアップ時などでは体温が上昇し、オーバーヒート気味になることもあります。その際、体温を調節するためにNANO-AIR ULTRALIGHT P/Oでは細かな気配りがなされています。

プルオーバーではありますが、胸元が大きく開けられる長さのジッパーが配されています。
そのため、ジッパーを大きく開けて一気に換気することもできますが、スライダーが2つ付いているので、首元は保温しながらも胸まわりのこもった空気のみを換気することができます。細かな体温調節には欠かせない、嬉しいディテールです。


また、袖口の内側は生地を変え、キャプリーン・クール・ライトウェイト素材が使われています。柔らかな肌触りに加え、速乾性、伸縮性もあるため体温調節のために腕まくりすることもできるのです。patagoniaが誇るキャプリーン素材が細かな部分に活きています。

 

その脱ぎ着のしずらさからか敬遠されがちなプルオーバーですが、着た状態での体温調節ができれば、そもそも脱ぎ着をする必要はありません。軽量化のためにジッパーの長さを極力短く、もしくは省いたプルオーバーは、軽量化の観点からだけでなく、その機能美からも我々スタッフの大好物です。
近年、改めてテクニカル分野での強みを前面に出すpatagoniaのNANO-AIR ULTRALIGHT P/O。クライミング要素を含む山行や、沢登り、高山帯で活躍するであろうアクティブインサレーションです。