両面プレス加工による耐久性と高反発性。厚みが保たれることにより対流が減り断熱性が高いロングトレイル対応ULスリーピングマット。
仕様
- 重量
- 113 g
- サイズ
- サイズ 100cm x 50cm 厚み1.3cm
- 素材
- 独立気泡 ポリエチレン発泡体
ライトウェイトハイカーやロングディスタンスハイカーにとっては定番のクローズドセル(独立気泡)ウレタンマットレス。そのウレタンマット定番のリッジレストと同等の断熱性を備えつつ、飛び抜けた軽さが特長の、山と道 U.L. Pad 15s+。先行のU.L. Pad 15s(75g) よりも両面を熱プレス加工したことで吸収性、反発性、断熱性、耐久性に優れています。
プレス加工され細かい凹凸ができた表面
スリーピングマットには空気を入れて膨らませるエアマットやその中にスポンジマットを入れ自動膨張を促すインフレータブルマットがあります。このようなマットはコンパクトな収納が可能なものの、重量はどうしても増えてしまいます。そのため、現在主流の自動膨張式エアマットの多くがスポンジマットに穴を開け肉抜きすることで軽量化を計っています。しかし、この穴こそが空気の対流を産み断熱性を損なう原因にもなっているのです。温暖な季節や気候の安定した場所では特に問題は感じませんが、寒冷な気候や状況が不明な土地に行く時にはそれなりの対策が必要なことも事実です。
一方、独立気泡のクローズドセルマットは大きくかさ張り収納性には乏しいものの、その丈夫さや断熱性だけでなく、軽さという大きなアドバンテージがあるのです。
以下に代表的な軽量マットの比較をしてみます。
<自動膨張式マット>
サーマレスト プロライトS 119x51cm 厚さ2.5cm 310g ※長さ100cm当たり 260g
ニーモ ゾアShort 122x51cm 厚さ2.5cm 270g ※長さ100cm当たり 221g
<クローズドセルマット>
山と道 U.L. Pad 15s+ 100x50cm 厚さ1.3cm 113g
サーマレスト リッジレストSolite S 122x51cm 厚さ1.5cm 260g ※長さ100cm当たり 213g
保温力の単位としてR値という値を見たことがあるハイカーも多いと思います。しかし同じR値で表記されていても、現在は統一された計測方法が無く各メーカーごとに異なる基準で算出しているのが現状です。そのためここではR値を外して考えます。
U.L. Pad 15s+は軽さが際立って見えるのは長さが100cmと他のメーカーと比べ短いことも要因の一つです。しかし、上記のように100cm当たりで比べてみても200gを切るマットはありません。厚みではエアマット系が2.5センチに対し、リッジレストが1.5センチ。U.L. Pad 15S+は1.3センチと最も薄いのが解ります。厳密に言えば幅や厚みも統一しなければ素材の持つ重さを正確に計ることはできませんが、これだけでも実用レベルの比較ならば十分だといえるでしょう
従来のマットよりも薄い1.3cm
保温性についてはまず上で例にあげたサーマレスト同士を参考に考えることができます。プロライトのR値は2.2で3シーズン用。リッジレストSolite はR値2.8で4シーズン用です。
次に同じクローズドセル同士で比べてみましょう。山と道が検査機関に依頼した計測ではU.L. Pad 15S+の断熱性はリッジレストの素材と同等もしくはそれをやや上回るという結果が出ています。これらを参考にして考えると、U.L. Pad 15s+は4シーズンでの単体使用も視野に入れられるマットだと言うことができるのです。
実際には、リッジレストは凹凸があり面ではなく線で接するため接地面積が少なくマットからの熱伝導が少ないという利点やSolite の所以であるアルミ蒸着により輻射熱を効率よく活かすことに成功しており、単なる素材の性能だけでは計れない部分があります。一方、U.L. Pad 15s+は接地面積が広いため身体とマットとの密着性が高く、暖かく感じられます。しかし接地面積が大きければ熱伝導も起こりやすく、仮にマットがへたっ てくればリッジレスト以上に熱が地面に逃げてしまう可能性も否定できません。また引っ張りや耐久性においてはUL Pad 15sより改善されているとはいえ、リッジレストに分があります。しかしそれに対してU.L. Pad 15S+は100g台の軽量さがあると考えましょう。このようにそれぞれのマットを見ていくと、それぞれにメリット、デメリットがあることがよくわかります。
山と道 U.L. Pad 15s+は上にあげたような欠点も確かにあります。しかし、それ以外に大きな欠点といえるところは見当たりません。私達の使用感からいっても大きく期待できるマットだという感触を得ています。
このマットは表面積の広さとプレス加工により表面を固めているため、冷えた条件下では暖かさを最初は感じにくいのですが、暖かく感じるまでの時間が短く一度暖かさを感じるとその感覚が非常に長続きします。断熱性が高いため、長い時間同じところにいても下からの冷えを感じにくいのです。また地面の凹凸を適度に吸収してくれる感じは他のマットと比べても高いレベルにあるといえます。
一泊のハイキングでも快適な睡眠は取りたいライトウェイトハイカー。長距離ハイキングをするのに軽くて耐久性の高いマットを求めるスルーハイカー。地面の 凹凸が気になる沢での幕営。より軽量にでも快適性も欲しいアルパインクライマー。耐久性と軽さの高いバランスを求めるあらゆるユーザーに一度は検討してい ただきたいスリーピングマットです。
*体感温度は個人によって異なりますのでご注意下さい。