インナーにメリノウール混紡素材をライニングした単体使用可能な防水ソックス。履き心地の良さ、高い防水性、防風性、保温効果が魅力。
仕様
- 重量
- 110g / ペア
- 素材
- 表生地
ポリプロピレン 62%、ナイロン 29%、エラステン 9%
中間層
防水透湿膜
裏生地
メリノウール 36%、アクリル 36%、ポリエステル 18%、ナイロン 5%、エラステン 5% - サイズ
- *足の実測長
S)~24.0cmくらいまで
M)~26.0cmくらいまで
L)~28.0cmくらいまで
XL)28.0cm以上 - カラー
- Black / Grey Marl
Seal Skinz Waterproof Socks
非防水のトレイルランニングシューズを好むハイカーは雨対策として防水ソックスを用いる ことがあります。気温も高い夏場などは濡れるにまかせ、タイミングをみて乾かすという方法がスタンダードといえますが、気温が低くなる10月ともなると、 山域によってはシューズの濡れが相当の冷たさを足に与えることも無視できません。GORE-TEXをはじめとする防水透湿素材というと、日本では雨の多い 風土もあってか「防水」という機能にのみ目がいきがちです。しかし忘れてはならないのが低温下での「防風&保温」という機能。ローカットのトレイルランニングシューズがGORE-TEXを搭載する理由は防水よりもむしろこちらなのです。このSeal Skinz は独自の防水透湿素材を表側ナイロン、内側メリノウールで挟んだ3層構造の防水&防風ソックスです。防水性の無いシューズの雨&雪対策だけでなく、風を遮ることでの保温性向上など、冬場のハイキングの様々なシチュエーションで活用できるソックスなのです。
<すね丈の長さ>
防水ソックス、防水グローブなど防水アクセサリーで有名なSealskinzですが、従来のソックスは足へのフィット感など無視された形状でし た。それが大幅に改善されたのが2009年発売のアクティビティーソックス。そからも細かいマイナーチェンジを繰り返し、2014年秋冬にもデザインやサイズ感の大幅見直しがありました。
そして2016年秋に新素材を採用したモデル「Walking Thin Mid」から2019年には「WP All Weather Mid Length Sock」へと名称が変更。
2016年から新素材Polycolon®を採用したことで見た目によりナチュラル感のある素材感に変わっただけでなく、毛羽立ちは靴との摩擦をうみ滑りにくくなりました。新たに変わるたびに伸縮性が良くなっており、前モデルよりも柔らかさやフィット感が向上。タイト過ぎず、かといってルーズにもなりにくくなっているので、より普通の靴下に近づいていると言えます。保温性はシールスキンズのレベルで言うと「2」になります。これはオールシーズン使うにはやや薄手ですが、冬季を除いた涼しい季節の防寒対策やインナーソックスを合わせてのオールシーズン利用にも最適だと考えています。やや薄手なので単体で履いたときの靴との一体感や足裏感覚を重視することができます。
つま先
かかと
デザインは普通のハイキングソックスと変わりません。また、ゴアテックス等と違いゴワツキ感も少なくなっています。内側はメリノウールなので、適度な吸湿放湿により蒸れ感を軽減させてくれます。
つま先(裏側)
かかと(裏側)
防水ソックスには興味があるものの、従来のソックスに重ね履きして使う防水オーバーソックスではゴワツキが気になる、そんなハイカーには是非試していただきたいモデルといえます。
〈Polycolon®〉
“新素材”と書いていますが、ポリコロン自体は新しいものではなく、以前よりアウトドアアイテムには使われている実績があります。ポリプロピレン繊維は水を吸わない性質をもっており、それを主にして作られた生地です。Patagonia のアンダーが最初の頃ポリプロピレン繊維を使っていたのは社史にも書かれていますが、今それをリアルに覚えている人はどんどん減っているでしょう。悪い点もありますが、特徴がわかりやすい素材ではあります。
とにかく水を吸わないので水切れが良く、繊維が肌に触れている感触がドライに近いのです。疎水性が高いので、乾くのが早いです。湿気が素材に吸収されにくいので、積極的に湿気を外に排出していくのもまた特徴の一つでしょう。ポリコロンは糸の撚りや編み方のせいか毛羽立っており、見た目にはウールのようにみえます。ウールの代わりとして、水濡れや汗冷えの少ないアンダーウェアの素材としても使われたりしています。
今回はポリプロピレンが主体のポリコロンを表素材にすることで、中で吸収させた水分や湿気が外に出る際にスムーズにその移動が行われることを考えていると思われます。ナイロンは繊維に水分を含んでしまいますが、水分を全く吸わない素材を表地にすることで水切れの良さは、乾く速さになり、結果ソックス内部の湿気が抜けていくことを邪魔せず促すことができると考えられます。
〈有効な状況〉
1. 非防水シューズの雨対策として雨が降っているときに着用
2. 秋冬の防風&保温対策として着用
3. ブーツ内やインナーブーツが濡れてしまった場合、そのまま履いても足が濡れないように着用
防水性だけでなく、防水シューズ&ブーツを履いているハイカーにとっても意外と有効なのが2. 3. の使用方法。常時使用するソックスというよりも、寒いとき、ブーツが濡れた時に使う奥の手としてスペアソックスの替わりとして用意してみてはいかがでしょうか。ブーツ内が汗で凍結したり極端に冷えることがある秋から冬においては有効に活用できます。(註)
〈注意点〉
1. 生地は薄手ですが保温性に優れる素材の為、基本的には晩秋から冬、初春の使用が適 しています。気温が高く発汗も多い春夏から初秋のハイキングで一日中着用すると、透湿が追いつかずソックス内が汗で蒸れ、湿り気をおびてきます。透湿性が 優れるとはいえ防水性があるため、また吸汗するウール部分が通常のソックスに比べ少ないこと、これらのことから、こうした防水ソックスは発汗の多い状況で はどうしても内部の吸湿放湿に限界が生じます。内部が湿っていると感じた場合はそのほとんどが発汗によるもので漏水ではありません。
2. 着用しているとやや伸びてきます。はじめて足を入れる際はややタイトに感じることがあるかもしれません。店頭でしたら試着が可能ですが、通信販売などを希望する場合はご自身の足の実測値にくわえ、ご使用されているシューズとそのサイズをお教えいただければアドバイスさせていただきます。
例)実測足長 約25.5センチ、主な靴のサイズ 26.5~27.5センチ(メーカーによりサイジングが異なるため)、脚太めのスタッフでMサイズを着用しています。初めはやや窮屈感を感じます。Lサイズでも履けますが、足首周りが大きくなりすぎてしまいます。
3. 雨の時に使用する際は、靴下の上部から入る水分に注意して下さい。温暖な時期にハーフパンツなどと合わせている場合は特に注意が必要です。
註1)2009-10年の冬は頻繁に雪のデイハイキングでも使用して漏水がおこるかテストしてみました。積雪膝下、非防水トレイルランニングシュー ズ使用、ゲイター無しの状態での使用を多く試みています。6時間程度の歩行の場合はソックス外側は濡れるが、内部に漏水は確認できませんでした。