世界最高難度を登るクライマーとして、20,000キロを超えるロングディスタンスハイカーとして、スカイダイバー、カヤッカー、サイクリストと1970年代以降、様々なフィールドで活躍してきたRay Jardine(レイ=ジャーディン)。ライトウェイトハイキングの原理、方法、道具について詳述したULの原典ともいえる「Trail Life」の著者である彼が2016年12月に来日、「第13回全国ロングトレイルフォーラム in 山陰海岸」に参加します。表舞台にでてくることがほとんどないレイと会い、歩ける機会というのはかなり貴重です。
「何十年にもわたり、わたしは冒険することに力を注いでいます。そこでは、航空宇宙工学の経歴を十分に活かして、軽量なアウトドアギアや衣類を設計、製作し、ハイキングやキャンプの技術を徐々に研鑽してきたのです。」
(Jardine, 2009 “ Trail Life ”より)
1970年代はクライマーとして当時の世界最高難度のルートのひとつを初登。カムデバイスの発明者としても有名なRay Jardine(レイ=ジャーディン)。彼は1987年からは活動の舞台をロングディスタンスハイキングにうつし、ライトウェイトハイキングの装備と原理を追及する中心人物となっていきます。検証のために重ねられたハイキングは15,000マイル(24,000キロ)を超え、1991年には「PCT Hiker Handbook」を出版。その後「Beyond Backpacking」、「Trail Life」と改訂を重ねたこの本はライトウェイトハイキングの古典にして決定版といえるでしょう。
1998年に創業されたいまや伝説のブランドとなったGoLiteはレイの信奉者でもあった創業者のクープがレイの思想を製品化しようとスタートさせたブランドだったのです。そしてレイ自身はRay-Wayというスタイルで長年自作キットを販売し続けています。原理と方法を伝えるための書籍だけでなく、実際の道具にいたるまでレイがUltralight Hikingに与えた影響は計り知れません。
実践、原理、方法、道具。まさにすべての点において現在のUltralight Hikingの父ともいえるレイ=ジャーディン。その彼が12月に日本に来日します。
日時)2016年12月3-4日
内容)12月3日フォーラム 12月4日山陰海岸ジオパークトレイル体験ツアー
お問い合わせ&お申し込み)山陰海岸ジオパークトレイル協議会
現在は活動の主軸をカヤックや自転車などにおいているため、ウルトラライトハイキングという文脈でレイの名前を目にすることは少なくなりましたが、生きる伝説であることに変わりはありません。メディアはもちろん、表舞台にでることがほとんどなかったレイ=ジャーディンがまさか日本のイベントに参加する日がくるとは。
12月3日のフォーラムでは、レイとのトークセッションという形式でハイカーズデポの土屋も登壇させていただきます。
12月4日の体験ツアーでは、レイと土屋も同行して15kmほど山陰海岸ジオパークトレイルをハイキングします。
どういうカタチであれ、レイ=ジャーディンと会える機会というのは今後なかなかない貴重なものだと思います。ご興味がある方は参加をご検討してみてはいかがでしょうか。