環境省主催のロングトレイル関連の公開懇談会が2月19日(土)東京池袋の自由学園で開催されます。今回のテーマは「ロングトレイルの維持管理のための体制づくり」。環境省が、日本の長距離自然歩道が、長年苦手にしてきたテーマといえます。だからこそこれから先の50年を考えた時に向き合わなければいけないテーマともいえます。
日本のロングトレイルの未来
トレイルの維持管理体制を考える
環境省主催のトレイル公開懇談会が2月19日に東京池袋の自由学園で開催されます。
日本最初の長距離自然歩道である東海自然歩道。その構想がたちあがったのは1969年。高度経済成長による工業化の波から郊外の自然を守るグリーンベルトとして、そして歩くことで東京と大阪を結ぶ人の道として、厚生省の国立公園部が構想をたちあげたのがはじまりです。現在、日本全国の長距離自然歩道は総延長28,000km。しかしその多くは当初の理念のように有効活用されているとは言い難い状況です。
2019年6月に全線開通したみちのく潮風トレイル(東北太平洋岸自然歩道)において、はじめて維持管理のためのNPO組織(みちのくトレイルクラブ)が立ちあがりました。これ以降、日本のトレイル資産といえる長距離自然歩道を再整備、再活用していこうという機運が環境省および環境省OBのなかでもたかまりをみせています。
環境省トレイル公開懇談会
「今後50年を見据えて 今、長く歩く、ということ 」
ロングディスタンスハイキング、ロングディスタンストレイルに関連する環境省主催のシンポジウムとしては、2019年12月の長距離自然歩道50周年記念のもの、2022年3月の長距離ハイキングや歩くという行為に焦点をあてたもの、があります。今回の公開懇談会はそれらを受けて「ロングトレイルの維持管理の体制づくり」がテーマとなっています。環境省は全国に28,000kmの長距離自然歩道を敷設、アパラチアントレイルを念頭においた1969年当初の理念には素晴らしいものがありました。それから50年、長距離自然歩道がしっかりと維持管理されていればと思わずにはいられません。社会風潮や行政の枠組みの問題もあるのでしょうが、日本は長距離トレイルの維持管理とその活用に関して50年近く足踏みしていたというのが現状です。
この数年、登山業界では植生破壊や土壌流出を食い止め、山を守るてだてとしての登山道整備に注目が集まっています。北海道大雪山の山守隊をはじめとして、雲ノ平トレイルクラブ、北杜山守隊などが継続的な活動のために立ち上がっています。これまでも全国各地では地元の有志や団体が地道な整備活動を続けてこられたはずです。そうした活動がようやく全国的なうねりに育ってきました。
是非、長距離自然歩道でも同様の動きが生まれることを期待しています。トレイルとしては信越トレイルクラブが地元と一緒にトレイル整備を長年続けていらっしゃいます。みちのくトレイルクラブの維持管理活動も長距離自然歩道における先進事例になっていくはずです。そして九州でも九州自然歩道フォーラムを中心にみやざきハイキングクラブや北九州のショップなどがそれぞれの地域で整備活動などにとりくみはじめています。登山道整備を登山者自らがおこなう流れが生まれつつある昨今、ハイカーがトレイルの維持管理や整備活動に関わっていく機運が高まっています。
再び動きはじめた時計の針を止めないためにも環境省には長距離自然歩道の維持管理運営のサポートに本格的に取り組んでいただければ嬉しいです。この懇談会がその契機になることを願っています。
【日時】
2023年2月19日(土) 10:00〜12:30
【会場】
東京池袋 自由学園 明日館
【参加】
参加無料 事前申込制
*要予約:こちらのフォームからお申し込みください。
*オンライン同時配信:配信アドレスはこちら
【主催】
環境省