BACKCOUNTRY ALMIPOT

1人用のシンプルで丈夫なアルミポットで、小型では珍しく”つる式”の取っ手がついているので焚き火にもかけやすい。一合のご飯がちょうど炊けるサイズ。

仕様

重量
127g
本体 113g
ハンドル 14g
容量・サイズ
最大容量 650ml
*目盛りは下から200、400、600ml
サイズ(実測値)
本体外径:約122mm(縁まで約131mm)
最大幅:約145mm(取っ手付き)
高さ:フタなし 約67mm、フタあり 約71.5mm
素材
本体 :アルミニウム
ハンドル、ツマミ他:ステンレス

焚き火にかけやすくて、一合のお米が炊けるシンプルなアルミ鍋が欲しい。そんな話から企画されたアルポット。ここ数年は廃盤状態でしたが2021年、製造メーカーと一部仕様を変更してBackcountry Alumipotとして復活しました。

Aluminumの鍋=『ALMI POT』

野外での食事で暖かい食事は本当に嬉しいものです。今では色々な調理の手間を省けるものが多く売られているので、軽量化にも簡素化にも一役買ってくれています。しかし、一昔前まではお米を炊くことは当たり前の山の食事だったのです。

僕達はできる限り簡単な調理で済ましているのが現状です。ですがそのノウハウは長い旅にこそ発揮されたり、歩くことを中心として考えた時には有効な手段ですが、1、2泊の旅やキャンプを楽しみの中心に考えたハイキング、積極的に焚き火を行える沢登りや川旅の時などには、ちょっとがんばって食事にこだわってみたいものです。

焚き火でも歪みにくいしっかりした厚みを持たせました。

左がアルミポット。

最近の軽量化の流れはポット類のチタン化を急速に推し進めています。たしかにお湯を湧かすだけの食事や茹でるだけの調理には問題ないのでチタンでも良いでしょう。しかしそれは目的に合ってこそ意味のあるもので、チタン製のポットには大きな弱点があります。

チタン製品は熱伝導率が低いのが特長です。これは長所でありながら同時に短所ともなっています。チタンの鍋で米を炊くと分かるのですが、一部分だけこげてしまい、上の方は生に近い状態になってしまいます。それはチタンが熱を伝えにくい素材だからです。炎が当たっている所だけが熱くなり他上の方まで熱が行かないため極端な状態ができます。ましてや水が大量に入っている時は下部は熱くなっても上部は冷やされてしまうのです。それを少しでも解消する為に底面に加工して熱を伝えやすくしたモデルも出ていますが、側面の熱が上に上がりにくいので結局は大差のない結果しか生みません。

しかしチタンでもお湯が沸くのが早いと思う人もいると思います。これはチタンのポットが薄く作られているからです。チタンと言う素材を硬いと思っている人がいますがそれは間違いで、チタンは粘りの強い金属なのです。だからアルミやステンレスでは作りにくいもしくは作れない薄さでもチタンであれば形になるのです。薄い素材だからこそ炎の当たる場所の熱が抜けやすくお湯が沸きやすい状況が生まれるのです。とはいえ決して全体に上手く熱が伝わっているわけではないので、極端に低温な環境では炎に温められた下部の水が対流を起こし上部に上がり、しかし炎の当たらない箇所は伝導率の低さのせいで温まらないので上部に上がると外気温の影響で冷やされ下がります。これを繰り返すばかりでなかなかお湯が沸かなくなることがあります。

対してアルミの熱伝導率は高く、中に入れたもの以上に冷たく感じてしまうほど冷えたり、固形燃料のようにほんの一部にしか炎が当たらなくても側面を通して熱が伝わり全体が触れないほど熱くなってしまうのです。その性質があるからこそ全体で熱を加える必要がある炊飯には適している素材です。もちろんステンレスやスチール(一般に鉄)は熱伝導率がチタンより高く、ある程度の厚みがあると熱の保持もできるのですが、重くなるという難点があるのです。ということは、炎の力を余すことなく使いながら、軽さも求めるならば、アルミニウムは適当な素材だと言えるのです。

日本人に欠かせない炭水化物のお米。特に力や持久力が欲しいときなど、その威力を感じた人も少なくないでしょう。アルファ米はとても簡単にお米が食 べられるありがたい食材です。しかし、その臭いや味に違和感を感じ苦手と思っている人も多いと思います。結局それ自体に濃い味付けをしたり、何かをかける ことで緩和させているのが現状です。

美味しいお米を食べたいと思ったら炊いて食べるのが一番。しかし米炊きに良さそうな鍋は大き過ぎ、ちょうど良い大きさのものはチタン製で米炊きに は向かないというものがほとんどでした。であれば作ろうと考え、鍋作りの知識と経験が豊富な『ロータス』さん協力のもとアルミポットを作りました。

ベースになっているデザインはBilly Can。日本には以前から焚火缶などとして出ています。また日本と言えば飯ごうがありますが、ご飯だけを炊くのには優れていますが、ストーブとの組み合わせや鍋単体での使い勝手には難があります。形状は平型にこだわりました。日本でのアウトドア用ポットはスタッキング(重ねての収納)などに注力したものが多いため、実際での使い勝手は決して良いとはいえません。それは家庭用の鍋に縦型のクッカーが無いことから見ても分かると思います。かといって広くて浅くなっては米炊きはもちろん煮込んだりの調理にも使いにくくなるので、そのバランスを取りながら考えていきました。

アルミは0.8mm厚。もっと薄くすることもできますが、焚き火にかけることを考えると十分な薄さだと思います。もちろん長期的に見ればこれでもゆがみが出てきますが、ハードな使用にも耐えられると思っています。

容量は最大650ml。ポット側面に3本の線を入れてあり、下から200ml、400ml、600mlとなっています。大きさのイメージとしてはトランギア/ミニセットよりも小さく、エバニュー/ウルトラライトチタンクッカー1よりも深いサイズです。高さ(外側)は本体で約65mm。外径は約122mm。

フタは重しの石や上からの加熱の炭を載せやすいように内落としの平らな形状にしました。ツマミは中央から横に寄せて配置しています。こうすることでペグや枝を使ってフタを滑らせて開けることができるのです。もちろん中央でもできるのですが、火にかけているときに手を上に持っていった熱さを考えるとこういう工夫も活きてくると思います。なお、復刻前のモデルと現行モデルとではこのツマミの位置と仕様に変更があります。

ハンドル(取っ手)はつる式。ゆがみが出ることも考えてあえてくぼみはつけていません。また、ハンドルの末端を片側だけジグザグ状にクランクさせることで片側には倒れるが、片側には倒れないようになりました。外側から引っ掛ける形状にしたので外れるようになっています。ハンドルが無いことでパッキングもしやすくなるでしょう。ハンドルでは無く、針金を付けて任意の高さに調整することもできます。別でポッドリフターを使う時にも邪魔にならないです。傷はついてしまいますが押し込めば内部にしまうこともできます。

ポットの径にもこだわりました。現在最火力のサイドバーナー(横方向に炎が出る)アルコールストーブだと考えられるAGG/カタディンストーブ。これはフレームリング(炎の直径)が大きいのでエバニュー/ウルトラライトチタンクッカー1でも少し収まらないほどでした。アルポットの外径はほぼ同様の約122mmですが、Rの角度(角の丸み)を少しきつく(鋭角)にすることで炎が上手く収まるように工夫しました。これにより、エバニュー/チタンアルコールストーブクアトロストーブとの組み合わせのような高さのあるトップジェット方式でも使えますし、ほとんどのサイドバーナーでも使うことができます。

着火直後。まだプライマリーパンにアルコールが残っているため炎が広がっているが十分抑えている。

ストーブ燃焼が安定するとちょうど綺麗に炎が鍋底の広さに収まる。

カタディンストーブとの組み合わせですと、熱効率の高いアルミでの組み合わせになりますし、高さが出ないようになるため、耐風性も上がり、高さの低い風防でも熱をしっかりと活かせる組み合わせになります。また、カタディンストーブくらいのアルコール量が入るストーブになるとこれだけで炊飯が可能になるのです。詳しくは”Bozemanのブログ”へどうぞ。

重量面で見ると、ウルトラライトでは無いと思います。しかし、ウルトラライトハイキングという考えから行けば一つのポットで多様な使い方ができるシンプルな道具というのは、非常にウルトラライトハイキングだからこそ、らしいポットだと思います。

*ご注意下さい*

使用前でもアルミニウムという素材の特性上製品には多少の傷やゆがみがございますが、使用上問題がなければ良品とさせていただいております。使用上問題のある場合はもちろん、傷やゆがみが大きい場合はご相談下さい。