The Bottle Pocket

ショルダーポケットらしいデザインに、幅広い容量に対応する伸縮性の高さが特徴のストレッチボトルポケット。一般的な500mlボトルはもちろんのこと、スマートフォンから1Lナルゲンまで幅広く収納可能です。

仕様

重量
32g
サイズ
全長 20.5cm
幅 7.5cm
容量
最適 500ml ボトル
最大 1,000mlボトル

ストレッチメッシュの対応力
スマートフォンから1Lナルゲンまで
名作を彷彿させるボトルポケット

パワーメッシュ製の伸縮ポケット
バックパックへの固定はクリップ式

ストレッチメッシュの対応力

ハイパーライトマウンテンギアが創業11年目にしてようやく製品化した汎用ボトルケース。いままで同ブランドではフレーム式のカッチリとしたボトルホルダーを500mlボトル用、1Lナルゲン用の2型で販売してきましたが、多くのハイカーが望んでいたのは本製品のようなポケット式の汎用ボトルケースでしょう。
HMG ボトルポケットは入口をドローコードで引きしぼるシンプルなスタイル。ボトルホルダーとして使う場合は引き絞ったドローコードをボトルの首にひっかけるなどしてもよいでしょう。ウォーターボトルに限らず、スマートフォン、コンパクトカメラ、GPS、行動食、エマージェンシーグッズなど様々な収納に活用できるのは他の同スタイルのボトルケースと同じです。当店のロングセラーでもあるジマービルト ウォーターボトルポケットがこれにあたります。

HMGの本製品はポケットがパワーメッシュのため伸縮性に優れます。そのため対応するボトルのサイズ幅が多岐に渡ります。この対応力こそが最大の特徴です。

ZBウォーターボトルポケット(右)との比較
下側を窄めた上広がりのストレッチメッシュポケット
最適容量は500ml〜600ml程度のボトルサイズ
パワーメッシュの伸縮性で1Lナルゲンも収納可

ショルダーポケットのメリット、デメリット

パワーメッシュなどのストレッチ素材を使用したスタイルはトレイルランニング用のベストパックに採用されてきたショルダーポケットに近いデザインです。PA'LANTE(2015年創業)の登場以降、ハイキングパックでもショルダーポケットを採用するケースが増えています。2020年以降はハイカーの間でもショルダーポケットを望む声が多く聞かれます。HMGでの製品化はこうしたハイキングシーンの動向もふまえたうえでしょう。本製品と同時期にHMGがリリースしたバックパック「UNBOUND」は取り外し可能なベルト、PA'LANTEが導入したボトムポケットなど現代ハイキング的な意匠が盛り込まれています。しかし最も需要が見込まれるであろうショルダーポケットについては取り入れず、本製品による後付けとしています。
ハイキングだけでなくアルパインクライミング、バックカントリースキー、バイクパッキング、パックラフティング、などオフトレイルでのマルチスポーツ志向が強いHMGではショルダーポケットのメリット、デメリットを検討したはずです。ショルダーポケットは収納するものによってはバックパックの左右バランスが崩れることがあります。ショルダーのフィット感にも影響します。また腕振りの邪魔になったり、足元が見えにくくなる場合もあります。屈んだ時に収納しているボトルなどを落としたハイカーも少なくないはずです。HMGではこうしたデメリットを検討した結果ショルダーポケットのバックパックへの標準装備は見送っているのでしょう。

ショルダーポケットは歩行中にボトルなどをスムーズに取り出せます。わたし自身も活用することがあります。しかしメリットだけではないのです。デメリットもあること、その内容を理解しておくことはバックパックの使い方、ボトルポケットの配置などについて自分に合ったスタイルを模索するよいキッカケになるはずです。

引き継がれるスタイル

ショルダーポケット的なストレッチメッシュのシンプルなデザインの本製品ですが、これを見た瞬間、SEALLINE ウォーターボトルポケットを思い出したハイカーはきっとベテランハイカー。惜しまれつつメーカー廃盤となりましたが、このボトルポケットは当店がジマービルトのボトルポケットを扱いをはじめた2014年まで、シンプルで軽量なボトルポケットとして当店のベストセラーでした。アーカイブされているページを見てみるとGPSやMP3プレイヤーなどに言及しているあたりに時代の流れを感じます。10年一昔とはよく言ったものですね。過剰な装飾を省いて、素材や用途をシンプルにすると、そのデザインは同じようなものに落ち着くのですね。引き継がれる名作デザインだと思います。

このスタイルのボトルホルダーには注意点がふたつあります。ひとつはパワーメッシュの耐久性です。ハードメッシュよりはやはり耐久性に劣ります。特に紫外線による劣化には注意です。もうひとつはポケット入口のドローコードが破損した際に応急処置がしにくい構造だということ。本製品は発売から日が浅いためそのあたりの実地検証はこれからになりますが、使用するにあたって念頭においておくとよいでしょう。

固定方法

バックパックへの固定には本体裏側に二つ装備されたクリップを使用します。ショルダーベルトの中央部にナイロンテープが配置されているバックパックならばHyperlite Mountain Gearの製品に限らず使用可能です。当店のラインナップでは、HMG、Trail Bum、Gossamer Gear、ULA、Zimmer Builkt、山と道と主要ブランドのほとんどで使用可能です。

HMG装着例
ショルダー中央で補強のために配置れているこのナイロンテープの有無がボトルポケット装着可否の重要ポイント。
Trail Bum装着例

Zimmer Built装着例

またバックパックのサイドにデイジーチェーンなどが装備されているバックパック(Zimmer Built チップパックHMGポーター、HMGサミット)の場合はサイドポケットとしての使用が可能です。ボトルケースとしてはもちろん、ストックホルダー、傘ホルダーのような使い方もよいでしょう。

シンプルなボトルホルダーは様々なバックパックで多彩な用途に応用できる製品です。丈夫なハードメッシュのジマービルト、伸縮性に富むストレッチメッシュのハイパーライトマウンテンギア、好みのモデルを選んでみてください。ボトルケースとしてだけでなく、マルチ収納ケースとしてご活用ください。