Titan Alcohol Stove

トランギアスタイルを進化させたチタン製アルコールストーブ。400mlを沸騰させるのに5分40秒、25mlのアルコールを使用。安定感ある実測35gストーブ。

仕様

重量
35g
サイズ
直径 φ71.5mm
高さ 42.0mm
最大燃料容量 70ml(約15分燃焼)
素材
本体 チタニウム
芯 グラスウール

「ハイキングストーブのもうひとつの選択肢」としてアルコールストーブへの注目がひろがりつつあります。しかし国内で購入できるモノとしてはtrangiaスピリットバーナー、VARGO各種チタンアルコールストーブ、国産ガレージメーカーのアルミストーブに限られています。ユニークなフォルムで人気のVARGOはようやく登場したtrangia以外のアルコールストーブとして注目されましたが、その独特の使い勝手から現在は嗜好品として評価されることが多いように思います。実際には

「重たいが、安定感にすぐれ消化蓋も付属する使い勝手の良いtrangia」

「安定感や使い勝手は劣るものの、圧倒的な軽さとシンプルさ、燃焼効率に優れたガレージモデル」

この両極端から選ばなければいけない状況にありました。そこに登場したのがこの製品です。

2015-08-27 14.51.30EBY254 MADE IN JAPANのアルコールストーブ

「軽さ、安定感、堅牢さ、燃焼効率のバランスに優れた中庸的なアルコールストーブ」

ULハイキングの本場アメリカでクッカーの評価を高めつつあるEvernew。そのEvernewがBackpacking Light等からのリクエストに応じて2009年に開発&テストしていたアルコールストーブがこのEBY254です。どれかひとつの機能が突出しているわけではありませんが、そのバランス感の良さに特色があるストーブといえます。形状はまさにtrangiaスタイル。しかしこのスタイルはtrangiaの模倣というよりも、チタン製であるがために結局このカタチに落ち着いたとも考えられます。

炎は外に広がるのではなく、垂直から内側よりに立ち上がる

チタンを素材に採用すると軽量化はできても、熱伝導率の悪さからプレヒートに時間がかかる。本体の加熱が安定せず、アルコールの気化も不安定になる。といった不安材料が懸念されていました。「チタンはアルコールストーブには向かない」といわれていたのです。これへの対策としてオープン構造の採用や芯としてグラスウールを入れる等おこないましたが、最大のポイントはジェットの位置にあります。ジェットを本体の下段に位置させ、真上からやや内向きに炎をだしています。これにより

ー燃焼中は常に本体が炎で加熱され、アルコールの気化も安定

ー炎が広がりすぎないためマグカップ使用のミニマムクッカーの底面でもロスなく炎を受けとめる

こうしたアドバンテージがうまれているのです。このデザインを見た当初は「ゴトクを使わないサイドバーナー(注1)としてのデザインなのか?」とも思いましたが、実際に燃焼させると、チタンでも効率よく燃焼させる為のデザインなのだと実感できるのです。

また燃料を注入する内部には写真のような目盛りがあります。国産ガレージであるT's Stoveが採用し始めた目盛りはこれで一般的になったともいえます。一番上の線が最大容量の70ml、400mlの水を沸騰させるには約30mlが必要であることを目安に、使用する各ハイカーが自分のクッカーでの必要アルコールを把握、ロスなく燃料を使用することができます。trangiaのような消化蓋(注2)の要望もあるでしょうが、trangiaとガレージストーブとの間をつなぐモデルと考えれば、必要燃料の把握に慣れるうえでもこれでいいのではないかと考えます。

w/ クワトロストーブ
w/ ストームクッカー

直載のサイドバーナとしての使用には不向きなので、別途ゴトクが必要になります。専用ともいえるEvernewのチタニウムDXスタンド(EBY257 ¥4,200)をはじめ、T's StoveチタンゴトクやHiker's depotクワトロストーブ、trangiaストームクッカーが使用可能です。

trangiaスピリットバーナーを更に軽量化したいハイカーをはじめ、trangiaは使い勝手がいいけれど重たい、ガレージストーブは軽いけれど少し不安、と感じているハイカーにとって、最初に手にとりやすいアルコールストーブといえるのではないでしょうか。

<燃焼データ>

  • 着火からジェットに炎が移るまでのプレヒート時間は約30秒
  • 本燃焼となり安定するまで約1分
  • 400ml、18℃の水の沸騰に5分40秒、アルコール約25ml(ウインドスクリーン&ゴトク併用)

注1)サイドバーナーとして直接クッカーを載せた場合、400cc、18℃の水は10分間で70℃になるに留まりました。
注2)trangiaの消化蓋で消化を試みましたが、ジェットの位置のためか、炎が蓋からはみ出して消化することができませんでした。消化蓋が必要な場合は350mlアルミ缶等を切り、それを完全にストーブにかぶせて消化するのが良いでしょう。アルミ缶はそのままストーブの収納ケースにもなります。