PCTやArizona Trail、日本のハイキングを通して感じたものと加藤則芳との会話をきっかけに、日本の長距離ハイキングのあり方、可能性を模索した "五国ロングハイキング”。2013年5月から6月にかけての3週間。約400km。ハイカー長谷川の記録。その1(全3回)
五国ロングハイキング
〜日本のロングハイキングの可能性〜
Part 1 “五国”とロングトレイルについて
記事:長谷川晋 aka Turtle
伝えたいこと
- 思い通りにならないから楽しい
- Hiker Direction 選ぶ責任と自由
- ハイキングの開かれた可能性
五国ロングハイキングとは
どうして”五国?
- ”国”を指す古い言葉
- 甲斐(かい)、武蔵(むさし)、上野(こうずけ)、信濃(しなの)、越後(えちご)の五つの国を歩く
どこから どこまで?
- 南の始点は河口湖。北の始点は苗場山。
- 追加として、信越トレイルの北の玄関口「森宮野原」までを繋ぐ。
- 水平距離 約 300 km
- 高低差を加味すると、およそ1.3倍、400km 程度と考えられる。
- 信越トレイルを加えれば、500km 近いロングハイキングが可能。
ロングトレイル とは
- John Muir Trail や Appalachian Trail、Pacific Crest Trail に代表されるアメリカの長距離トレイルのこと。
- 本来は、Long Distance Trail
- 数週間から数ヶ月、半年に及ぶ
- 日本一周以上の長さのものもある
- 一つの区間は4〜5日間
- 補給のために町を通過するようなトレイルの設定。それは、長く旅を続けるための手段
そもそもロングトレイルを定義するものは
- 定義はない。
- ロングとは長距離のことなのか?長時間のことなのか?
- ロングトレイルと聞いて想像するもの
- 信越トレイルや高島トレイルなどの日本流ロングトレイルは”縦走”と違うのか
→ ”日本流”は、ロングトレイルの部分的なエッセンスを取り出したもの
→ 日本流ロングトレイルは、山や頂をたどる”登山”的縦走との違いは不明確
ではあえて、ロングハイキングを定義するならば
一度の補給を必要とする「時間」もしくは「距離」を有したハイキング
現実のロングハイキング
キレイごとばかりじゃない。楽しいことばかりじゃない。
個人所有地や放牧地も通る。
ここもPCTのトレイル
山の上から町が見えるくらい近い
スキー場の中だって突っ切っていくトレイル
森林火災により、トレイルクローズ、迂回を強いられることも
ジープロードや舗装路もロングトレイルをつなげるために必要
過酷な気象条件もある
時にはこんな水も。これでも良いほう。
- アメリカでも多くのロングトレイルは情報不足といえる
- トレイルに名前が付いていても整備が行き届いているわけではない
- 未舗装路はトレイルの代用