PORTER 3400

半年にわたるロングハイキング、原野の川を堪能するパックラフトツアー、雪の山野を彷徨するスキーハイキングと使い手の工夫で様々なシーンに対応。ポケットすら省略したシンプルなHMG(ハイパーライトマウンテンギア)のマルチスポーツパック。

仕様

重量
実測 891g
本体 783g
アルミステー 108g
容量
55L
適応荷重 〜19kg程度
素材
本体 Cubic Tech社 DCF(Cuben & Polyester 50D ハイブリッド素材)
底部 Cubic Tech社 DCF(Cuben & Polyester 150D ハイブリッド素材)
サイズ
S、M、L

トレイルから踏み出す旅へ
シンプルだからこその汎用性
最後に行き着くバックパック
HMGポーター3400

アウトドアマルチスポーツの舞台、アメリカ東海岸

20世紀前半”グランマ エマ”の伝説の舞台になったアメリカ東海岸。ここはUltralight Hikingの実験が繰り返された西海岸とは異なる意味でアウトドアの原点といえる場所。特にメイン州を中心とした地域はH.D.ソローが『森の生活』を営んだ思索の土地でもあり、アメリカ開拓の原点として山と川とが何よりも身近だった土地。L.L.Beanの本拠地でもあり、まさにハイキング、カヌーイング、ハンティング、フィッシング、スノースポーツとアウトドアスポーツの全てが詰まっている場所なのです。21世紀にこの地に産まれたHyperlite Mountain Gear(HMG:ハイパーライトマウンテンギア)は単にUltralight gearを作るメーカーではありません。こうしたアウトドアマルチスポーツのDNAを色濃く製品に反映させているメーカーです。HMGはAppalachian Trailの終着点であるメイン州に 居を構える新興ウルトラライトメーカー。1998年にGossamer Gearがカリフォルニアに産声をあげて以来、数多くのガレージメーカーがアメリカに産まれました。その多くはPCTスルーハイカーに対してギアの開発& 販売をおこなう関係上、西海岸から中央部にその活動拠点をおいてきました。現代ウルトラライトハイキングの流れはPCT(西海岸)が中心なのです。そんな中、異端児として産まれたのがHMG。ULメーカーの主宰者はPCTコミュニティーの中でネットワークを築いていますが、HMGはそのコミュニティーとは関係のない東海岸で Pierrie兄弟の手によって産声をあげます。自らがATスルーハイカーである彼らの元に集まる仲間もAT、PCT、JMTスルーハイカーが多く、また西海岸のメーカー主宰者から比べると年齢も一回りほど若い、文字通り「次世代ULメーカー」なのです。

HMGが目指すもの、ポーターが目指すもの

HMGが目指しているのは、湿潤かつハードなアメリカ東海岸でのアウトドアアクティビティに対応したウルトラライトギア。雨が多く、渓谷、川、湖も多い。森林限界下ではブッ シュも茂り、高山帯では強風が日常。傾斜やアップダウンがきつい山域は冬季に雪と低温に悩まされる。そんな東海岸をウィークエンドだけでなくロングディスタンスでも、ハイキングだけでなく様々なアクティビティでも使えるハイキングギア。

「Ultralight(軽く)」「Durable(頑丈で)」「Water resist(雨に強い)」

HMGのバックパックではフロント&サイドにポケットを配置したウインドライダーがすぐに思い浮かびます。デザイン的にもULバックパックのメインストリームを感じさせるだけでなく2011年には米Backpacker誌が選ぶULバックパックとされています。40Lという容量から考えてもまさにULハイキングバックパックの名品といえます。

それに対してこのポーターはどんなコンセプトのバックパックなのか。
ポーターは汎用性を第一義とするマルチスポーツバックパックです。

PCTやAT、CDTのように半年にわたるロングディスタンスハイキングで使ってもよし、アラスカの原野をパックラフトで下る川旅のパートナーにしてもよし、スキーやアイスツールが増える冬季のハイキング、クライミング&スキーイングに対応させることももちろん可能です。無雪期積雪期を問わず、オントレイルからオフトレイルまで、様々なアウトドアフィールド、アウトドアアクティビティーに対応するバックパックなのです。何用とはうたわないこのバックパックにはポケットすらありません。垂直に4つ配置されたデイジーチェーンしか見当たらない非常にシンプルなデザインです。しかしこのデイジーチェーンを駆使することで、オプションポケットの追加、バンジーコードやストラップなどによる外装やカスタマイズが可能になるのです。

スノーシュー、スキー、アイスアックス、ポール、ショベル、パックラフト、パドル、PFD、ヘルメットetc、、、

工夫次第で取り付けられるギアは無限大です。上記のギアは全てわたしたちがポーターに取り付けたことがあるギアばかりです。

仕様

垂直に4つ配置されたデイジーチェーンと両サイドに3ヶ所配置されたバックル付ストラップがこのシンプルなバックパック最大の特徴。

バックパック上部の調整可能なY字ストラップは収納力&固定力ともに必要十分。畳んだパックラフトをしっかりと固定することも可能です。

ショルダーストラップのデイジーチェーンにはボトルポケットなどを追加することも可能です。

耐久性重視の底部はパイピングで縫製箇所が補強がされているためシームテープでの目止めができません。しかしそれ以外の縫い目は全て目止処理が施されています。主素材のDCF(Cuben&Polyesterのハイブリット素材)は防水生地であるため、目止処理の結果、ほぼ完全に近い防水仕様となっています。

最後に行き着くのはこのシンプルさ

サイドポケットすら無いシンプルさは、かつてのアルパインパックを彷彿とさせる美しさを感じさせます。しかしシンプルすぎるがゆえに「使いにくそう」というイメージを持たれがちなのも事実です。しかし4本のデイジーチェーンと3本のバックルストラップが生み出すバックパックの汎用性を応用力と反応性を体感して欲しいと思っています。ここに欲しいなというところにポケットを追加できるのがポーターの強みなのです。

あらゆるアウトドアアクティビティに対応可能なシンプルなバックパック。ULハイキングという枠にとどまらない懐の深さはまさに最後に行き着くバックパックといえそうです。

ギアのアタッチメント例【参考:StrapGear™を利用】

スノーシュー

ショベル

アイスアックス

スキー

クランポン


Features:

- Made in Maine

- Four external, vertical daisy chains for attaching Porter Stuff Pocket, Porter Water Bottle Holders, or extra gear for trip-specific customization

- Removable, contoured aluminum stays

- Dyneema® Hardline shoulder straps with 3/8” closed cell foam and spacer mesh

- Compression System

- Roll-Top closure system with side compression straps for vertical compression

- Six side compression straps for horizontal compression

- Top Y-strap compression -- Designed to secure gear

- Internal zippered pocket

- Dyneema® Hardline hip belt with 1/8” closed cell rigid foam, 3/8” closed cell foam and spacer mesh

- Dyneema® Hardline zippered pockets on hip belt with #5 YKK zipper

- Adjustable sternum strap with self-tensioning elastic

- Ability to stow two ice axes on daisy chains

- Proprietary seam sealing on all side seams and behind all sewn-on pack features

- Dyneema® Fiber Tex 69 thread