ハンドルを省略することで軽さと美しさを手に入れたシンプル&ミニマルクッカー。750mlという容量はソロクッカーとしてあらゆるハイカー、あらゆる状況にフィットするスタンダード。
仕様
- 重量
- 80g
蓋 20g
本体 60g - 容量&サイズ
- 750ml
直径 φ95mm
高さ 110mm
- 素材
- チタニウム 0.5mm厚
参考)BackpackingLight.comとノーハンドルクッカー
TOAKS チタンポット750NHは、 BPLが2000年代前半に販売していたノーハンドルチタンクッカーを復刻させたモデルのひとつです。2000年代前半のUL黎明期においてはクッカーサイズは550mlがULにおけるスタンダードでした。ULハイカーはいかにしてクッカーサイズをギリギリまでミニマライズできるかに血眼になっていましたから。この550mlというサイズはULハイカーたちのひとつの合意点といえるでしょう。しかしここから日米で更なる変化が生じます。日本ではチタンマグなどをクッカーに使用する小型化に拍車がかかる一方、アメリカではスーパーで食料調達をせざるをえないロングディスタンスハイカー、スルーハイカーを中心に調理がしやすい大型サイズが再浮上してきたのです。そのため本稿で扱っている750mlの他に900mlなどもBPL時代にはラインナップされていました。ハンドルを省略するというクッカーとしてはこれ以上ない軽量化の他にあらゆる状況で使い回しが効く容量ということで支持を集めたのがこのチタンポット750mlNHといえるのです。
市場でも最もよく目にするソロクッカーのサイズですので、今更ではありますが、使い勝手を選ばないクッカーです。
1)ハンドルを省略することで25%の軽量化
2)煮る、茹でるといった調理にも適した容量
3)底が膨張しない底面デザイン
収 納性に優れる縦型は日本の市場で最も支持を得ているスタイル。そのスタイルから思い切ってハンドルを省略しています。同じTOAKSの750mlのハンドル付クッカーが約100g、こちらのノーハンドルでは約80g。要は約1/5に当たる20gはハンドルの重さな のです。欧米にはもとよりハンドルがなく、パンハンドラーを使用するクッカーが数多く存在(MSR、GSI、 TRANGIA等)します。ULクッカーにおけるULパンハンドラーはハイカー自身の手に他なりません。それに20%の軽量化を実現する方法がハンドル省 略の他にあるでしょうか?ハンドルが無いというと一様に「使いにくいんじゃないか?」という声が上がりますが、慣れてしまえばソロクッカー程度の容量ならば大きな問題にはなりません。それよりも20%の軽量化を優先するのがUL的スタンスです。
「ハンドルレスによる大幅な軽量化」はこのように合理的ではありますが、マスプロダクトではなかなか実現しませんでした。そうした中で復刻とはいえ、こうした製品がマスプロとしてリリースされたことには注目していきたいものです。
ハンドルを省略することで軽さと美しさを手に入れたシンプル&ミニマルクッカー。750mlという容量はソロクッカーとしてあらゆるハイカー、あらゆる状況にフィットするスタンダードです。
【システム例:TOAKS Ti POT750NH+Trail Designs Caldera Cone 】
TOAKS チタンポット750NHを使うにあたりもちろん様々なストーブ、ウインドスクリーンが使用できますが、個人的に推奨したいのは Trail Designsカルデラコーン。カルデラコーンはその熱効率の高さからULハイカーには長年にわたり支持されてきましたが、近年はSimmer Ring(シマーリング:煮炊き用火力調整リング)の登場により更に支持を高めています。付属ストーブにシマーリングを取り付けることでとろ火が実現、チタンクッカーでの炊飯や煮物などの調理が非常にやりやすくなりました。ちなみに二合炊飯に必要なアルコール量は20ccとかなりの燃費の良さも実現しています。こうしたことからも750mlという十分な容量を活かすために調理にまで視野を広げるのであれば、当然カルデラコーンは検討対象となるのです。そして決め手はスタッキングの相性の良さ。この写真のようにカルデラコーンのケースがクッカーの内径にピタリと一致。カルデラコーンのデメリットとしてしばしあげられる収納サイズやスタッキングの悪さもこれで問題ありません。
*ゴトクとしての安定感
*熱効率&燃費の高さ
*シマーリング導入による調理機能の大幅アップ
*スタッキングの相性の良さ
当たり前に感じてしまっているからこそ、あらためて再注目したいのーハンドルクッカーとカルデラコーンのセットアップ。こちらのクッカーで是非検討いただきたいシステムです。