持っている道具に手を加え自分好みにする当シリーズ。パーツ初級編・応用編の次はトレッキングポールに手を加えます。ちなみに作業はまあまあ面倒です。
手を加えるポールは軽量コンパクトモデルとして定番のディスタンスカーボンZ。使っている人も多いのではないでしょうか。一般的にダブルストックとも呼ばれるトレッキングポールを両手に握り歩く姿は、今や登山ですっかりお馴染みのスタイルとなりました。登りの労力を軽減し下山時の膝の負担を和らげてくれるお役立ちアイテムですが、その一方で使わないハイカーもいます。私もそんな一人ですが、理由は手に何かを持つのが好きじゃないから。しかし、万が一怪我をした時の用意・テントやツェルトの設営ポール・同行者に貸す、などの為に携行します。軽量なので重さは気になりませんが、グリップ部のフォーム材が嵩張り閉口することもしばしば。ただでさえ使う機会が少ない道具なので少しでもコンパクトにしたい、が今回の目的です。トレッキングポールを入山から下山まで常に使用する人だと、使い心地が落ちる内容なので読み飛ばしてください。

1、このグリップ部のフォーム材を剥ぎます。当然ですが剥がせば元に戻りません。本当に不要な部分なのか、もう一度考えて作業します。
2、フォーム材を剥ぐための切れ込みを入れます。刃を入れる場所はどこでも構いません。
3、切れ込みを終えるとこんな感じ。
4、フォーム材を剥いでいきます。
5、フォーム材は強力な両面テープで貼り付けられているので、剥がすのが少し面倒。
6、全て剥がすとこうなります。

7、フォーム材を剥がしたポールにもう少し手を加えます。
8、ストラップも自分には不要なので、ポールとストラップを繋ぐ金属ピンを抜きます。ストラップを残したい場合は、ピンの出っ張りをヤスリやルーターなどで削ると安全です。
9、ペンチで摘んでピンを抜きます。
10、ポールに残っている両面テープを剥がしていきます。これがとても面倒で今回の作業の山場。嫌なら小細工せずそのまま使うのも良いでしょうし、上からテープを巻いて目隠しするなら適当な剥がし具合でも構いません。性格が出る部分なのでお好きにどうぞ。
11、シール剥がしで綺麗にした後にアルコールで脱脂してピカピカの状態。
12、不要になった部材の重さは15g/1本。つまりペアで30g。軽量化が目的なら労力に見合わない成果でしょう。

13、剥がしたフォーム材に代わり薄い滑り止めテープを巻きます。今回使用したのは3Mのもの。同機能なら何でも構いません。ロードバイク用のバーテープなどは様々な色や柄があるので選ぶのも楽しそう。
14、テープを巻いていきます。
15、巻き終えるとこんな感じ。
16、手を加える前と後の比較。ハンドル部の嵩張り具合差は一目瞭然。
17、最後に細引きでループを設けます。これは後述の用途と家で保管する際のぶら下げ用なので、不要な人は無視してください。
18、完成。
おまけ

19、ディスタンスカーボンZは先端部のチップを交換できる仕組みになっていて、そのためにネジが切られています。
20、そこへ異ネジ径を繋ぐ変換ネジをねじ込みます。用いたのは「ネジ径5mmxネジ長15mmーネジ径8mmxネジ長15mm」。
21、ねじ込むとこんな感じ。目的のために錆びにくいステンレス製を選んでいます。
22、ここにもう一つのパーツを繋ぎ…
23、………
24、ハンドルに設けたループにゴム紐を繋げば…
25、トレッキングポールとしても使える折り畳みカーボン銛の完成。あくまで代用品なので継ぎ数の少ないスピアと較べればガタつきますが、海沿いを旅する際に「綺麗な海で素潜りを楽しむついでに献立が増えたら良いな」くらいの姿勢なら良いのでは(海で使用した後は塩抜きをお忘れなく)?トレッキングポールを他の何かに代用できないかと考える人は古今東西珍しくなく、昔だとLEKIの「カメラ用一脚」になるものや、Luxurylite社の護身用「トレッキングポール槍」なんてのもありました。
ここまで手を加えると、折れた時などに修理をメーカーにお願いできないかもしれません。ブラックダイアモンドの日本代理店であるロストアローは修理体制がとてもしっかりしている会社ですが、ユーザーが手を加えた製品は安全を保証できないため断られる可能性があります。海外から製品を個人輸入した場合にも似ていますが、自己完結できず日本の代理店やメーカーに修理を頼りたい人は手を加える前に熟考してください。ちなみに同社の修理理念は公式HPで「ロストアローのリペア哲学」として紹介されています。同業者が見ても感心するので是非どうぞ。(樋口)



